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*IAIジャパン・メールマガジン(公開版)
 
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IAIジャパン・メールマガジン第59号

2005年11月1日

 ∽∽∽ 目次 ∽∽∽
@巻頭言 「聞く耳と聞かぬ耳」     IAIジャパン理事長  八幡惠介
A 「今年は時代変化の潮目の年となるか」    IAIジャパン理事  柳田一千一
B 「ベンチャー経営の18種目:米糠に魅せられて」
             9月サロン  株式会社ライステック代表取締役 飯沼一元
C 事務局よりのご案内          11月サロン開催


@ 巻頭言 「聞く耳と聞かぬ耳」

IAIジャパン理事長 八幡惠介    

創業相談に来る人たち、IAIジャパンの活動に参加する会員などと接していると、 しゃべり上手と聞き上手があることに気づく。もちろん世間一般のひとでも同様であ るが、エンジェルはメンターであることを要求される場合が多いので、特に注意する 必要がありそうである。しゃべり上手は立て板に水を流すように、人をひきつける魅 力的な話をする人を指すかといえばそうばかりではない。聞き手が聞きたいと思うこ とをTPOに配慮して聞き手の反応を見ながらしゃべる人が本当のしゃべり上手であ る。聞き上手もただ黙って聞くだけではなく、話し手に対して相槌を打ったり頷いた りして聞いていることを表現し、相手が話しやすい状況を作り出すのが本当の聞き上 手である。会議などで自分の主張を聞いてもらいたくて大声を出したり、他人の話の 腰を折って発言する人を見かけたりすることがある。聞き上手は話し手の主張を的確 に理解し、反応を返す人のことをいうのであろう。このような聞き方を聞く耳があ る、と表現するのではなかろうか。対岸の火事と聞き流すのではなく、自分はどう か、と反省することも必要であろう。

アメリカにはdebateという手法があり、高校で正課となっている学校もあると聞く。 debateは自分の主張を相手に理解させ、相手の言うことも理解した上で相手の論理の 矛盾や弱みを突いて相手を「言い負かす」手法である。したがって交渉ごとには有効 な手法といわれる。debateを習得した相手と交渉に臨む場合はそれなりの準備をして おかないと言い負かされて交渉が自分にとって不利な展開をすることになる。国際政 治の場で日本が不利な交渉を余儀なくされるのは外交に携わる人たちがdebateに習熟 していないからに他ならない。debateでのタブーは感情的になることである。感情が 理性に勝つとその時点で負けになる。相手が自分の言い分を理解しないとき、感情的 になったり、主張を強硬にしたり、むしろ逆効果となることは誰しも経験することで ある。日本人は喧々諤々の議論をして言い負かされると相手を不倶戴天の敵のように 考えがちである。西洋の人たちの議論を見ていると、その場では掴みかからんばかり の言い合いの後けろりとして談笑しながらいっぱいやっていることがしばしばであ る。debateの結果友人を失うのではなく、理解しあう友を増やすのが有効な方法とい えよう。

創業する人は一般的にユニークな発想ができ、それを武器に起業する場合が多いが、 えてして自己主張が強く他人の言い分を無視することになりがちである。このような 起業家に対するには聞き上手になる必要がある。せっかくのユニークな発想も聞き手 の反応が不適切であるために脱線してしまうと聞き手に伝わらないからである。聞き 上手は相手を怒らせたり、がっかりさせたりはしない。これはdebateではないからで ある。話し手が脱線しそうになれば話をそれとなく本題にもどし、同じことの繰り返 しになればすでに理解していることは相手にそれを伝えることも役立つ場合がある。 それだけの思いやりを示してもなおかつ相談の目的がわからない時は聞いた内容を (理解したとおりに)確認して、相手がそれに納得するか、または話し方が間違って いたことに気づくか、反応を見ることも役に立つかもしれない。メンターとして大切 なことは相手に言い聞かせるのではなく、相手に気づかせることである。エンジェル は教師になるのではなく、起業家を独り立ちさせるべく自分で考え、反省して間違い に気づくように仕向けることが役割だからである。

起業家が話し上手な場合は話を適当に区切って内容が理解されたか確認しながら進む ものであるが、多くの場合それにお構いなく進めてしまう。そのような場合聞き上手 になればこちらが聞きたいことを主にしゃべらせることも可能であろう。中にはまっ たくお構いなしにいいたい放題しゃべってこちらの聞きたいことが聞けない場合もあ ろう。このような思い込み型は本来起業に適していない場合が多いので要注意であ る。これが聞かぬ耳である。経営は組織を活用しなければうまくいかず、組織を動か す基本はコミュニケーションであるから、このような一方通行の話は通らない。社長 が一方的に指示し、社員からのフィードバックを聞き入れなければ裸の王様が出来上 がってしまうこと請け合いである。エンジェル支援を成功させるためには支援相手の 起業家を話し上手に仕向け、自分は聞き上手に徹することが有効である。聞く耳を 持った起業家を育てるためにはエンジェル自身も聞き上手になる必要がある、といえ よう。聞かぬ耳はいずれの側にも不向きである。

先日国際ロータリー(Rotary International:RI)の設立100周年記念の会議があり、 まる1日かけて企業倫理についての講演と討論が行われた。RIは職業奉仕団体である が一般にはあまりなじみがない。RIのいう企業倫理は通常のコーポレートガバナンス (CG)よりもさらに厳しいものを追求しており、たとえば、顧客から生産能力を上 回る注文を受け、設備を増強してシェアを拡大することは倫理に反するとの立場をと る。それは二つの倫理違反につながる可能性があるからである。すなわち、シェアを 拡大し、競合を追い落とすことになる、また、過剰設備がフル稼働しなくなったと き、株主に損害を与えるからである。シェアを拡大し、寡占状態を作り出すことは利 益の増大につながることが多いが、それにより競合企業が倒産に追い込まれるのは倫 理違反との立場は現代社会では理解しにくいことであろう。そのような競争が公正を 欠く、との立場は不公正競争防止の上から公正取引委員会が調査して決定するところ であるが、RIは過当な競争そのものが不公正であるとしているので、討論の席でも 現状に即しないとの議論があった。設備投資を行うときには稼働率の予測をした上で 経営判断するが、市況商品においては長期にわたって需要が低迷し、大きな損害を蒙 ることもある。その結果株主が不利益を受け、これがCGに反する、というわけであ る。IAIジャパンでは企業がコーポレートガバナンスを遵守することは事業の成長 につながり、利益につながるとの立場を取っている。これは突き詰めると企業を経営 する者は職業上の倫理をまもり、ステークホルダーズの利益になる結果を出す責任が ある、と言っているのである。その意味ではRIの取る立場と酷似しているといえな くもない。

起業家が創業時期にはCGに首を突っ込んでいる暇があったら事業に身を入れた方が 早く成功を手にすることができる、と考えることがしばしばある。そして事業に成功 し、一人前になったら企業統治なり、社内規定を整備してCGを確立すればよい、と いうわけである。しかし我々はそれでは遅すぎる、と主張している。なぜか?それは CGは企業文化の一部であり、規定の整備と遵守の号令だけで達成できるものではな いからである。我々の主張するCGとは起業家の行動、発言、考え方すべてに現れる ものであり、たとえ創業者一人で事業を進めているとしても自らに課さなければなら ない倫理である。これが貫かれていなければ、パートナーや従業員が参加したときに この人は倫理の人ではない、少しくらいの不正は見逃してくれるだろう、と思ってし まうものである。最近の企業の不祥事はCGの欠如によることは明白であり、経営の バックボーンにCGが欠けているからに他ならない。40メートルのオーバーランを 8メートルに報告してくれ、と同僚に頼むこと事態倫理規定が守られていないからで ある。社長が代わっても企業全体に蔓延した体質は改善するのに長い期間が必要であ る。国鉄時代から引き継いだ体質であることは容易に想像がつくが、われわれは将来 このような企業が出ないように、創業期からCGを追求するのである。JR西日本は 今回の事故による莫大な損害を受け、赤字転落も余儀なくされる事態になろう。これ がなければ事業から得られる利益はステークホルダーズに還元されたであろうから、 重大な倫理違反が利益に反することが明白である。既存企業のCGが追求されなけれ ばならないことは論を待たないが、我々は起業家にこのことを理解してもらえるよう 説得し、企業の成長に伴って身の丈に即したCGが守られるよう助言し、見守る必要 がある。それがIAIジャパンのエンジェルの支援企業に対する最大の貢献だからで ある。


A 「今年は時代変化の潮目の年となるか」

IAIジャパン理事  柳田一千一    

大きな社会の変化にはどうやら周期があるらしい。コンドラチェフの周期説は大変よ く知られている。また米国の政治の変化は60年周期に起こっているとのこと。さて日 本に関しての周期説を調べてみると、1825年(文政8年)の異国船打ち払い令すなわ ち鎖国の始まりから現代まで40年周期ごとに社会構造の大転換点がある。その中間点 である20年目には必ずと言ってよいほど大転換点の予兆が始まっている事実は興味深 い。

実は2005年の今年が40年周期の中間点の20年目であり、新しい時代に転換する予兆が 出始める年である。

 簡単に40年周期の各転換点とその中間の20年目の予兆に触れると以下のようにな る。

  1825年(文政8年)異国船打ち払い令、鎖国の始まり

  中間1842年(天保13年)異国船打ち払い令緩和

  1864年(元治元年)蛤御門の変、1868年明治維新

  中間1889年(明治22年)大日本帝国憲法制定、富国強兵

  1905年(明治38年)日露戦争講和条約、大国と対等な講和条約

  中間1927年(昭和2年)昭和恐慌、軍国主義へ転換、第二次世界大戦へ

  1945年(昭和20年)第二次大戦無条件降伏、平和憲法制定、民主主義

  中間1965年(昭和40年)重化学工業化の達成、貿易バランス

  1985年(昭和60年)先進5カ国蔵相会議(G5)プラザ合意

  中間2005年(平成17年)1985年から見て次の40年目の大転換点は2025年


さてここで潮目の変化年となる今年を振り返って見る。一般的に社会変革を起こす力 としては政治の力、経済の力、民衆社会の力の三点が考えられるがその中でも最大の 力を持って社会構造を変えるのが政治であり、今年は政治構造が大きく変わり議会制 民主主義のあり方までもが問われようとしている。今後の政治判断とそれによる社会 の方向付けが次の20年間の行く先を決めるようでならない。過去の転換点を見ても必 ずと言って良いほど政治判断がその行く先の方向を決めている。

 確かに民間を含めあらゆる制度疲労が起こり無視出来ない状況にある事は事実であ る。民間はそれなりの自助努力と自浄作用で変革を続けてきたが、国や行政が既得権 により肥大化し非効率のまま改革できないでいることは必ずしも良いことではない。

小さな政府と行政、国から地方自治へまた民間で出来るものは移行して行く変化がこ こでやっと本格し、民営化と民間事業への移行が新たな事業機会を増やし雇用の機会 と経済の活性につながるであろう。

 また環境問題や、エネルギー問題、少子高齢化も大きな変化の潮目のひとつであ る。

年金問題にも関係する団塊の世代の定年退職者が年間600万人以上出始めるのもすぐ 目の前に来ている。これら全ての問題には政治のリーダーシップを持って決断し速や かに実行に移さなければならない問題が多い。その観点からも今回の政治構造の変化 は潮目の変化として期待出来ると思われる。

 観点を変えてみると若い人たちの二極分化も見られる。ホリエモン現象なる新しい 価値観、人生観を持つ人たちが増え、ヒルズ族やセレブなどの言葉も飛び交う、ロハ スな考え方の人のための雑誌ソトコトが発行され昨年あたりから発行部数を大幅に増 やした。

多様な価値観を持つ社会に移行を始めたようである。これらも新たな社会変化の予兆 のひとつであるのかもしれない。テクノロジーの世界ではユビキタス型社会の予兆と もなる「IPv6」やワイヤレス通信「WiMAX」などの実用化も進みつつあり、 先進的通信インフラの普及はハード、ソフト、サービスにおいて巨大市場を形成する と期待される。

最近の株式新興3市場に株式公開している企業の経常損益改善が急速に進みつつある が通信やサービスなどの非製造業が中心である。

このような時代変化の時は大きなチャンスも生まれる。従来の概念を覆すビジネスモ デルが登場し短期間で株式公開をするようなケースも出てくるであろう。

我々も変化の予兆と潮目を見据えたベンチャー・インキュベーションを考えて行かな ければならないのかもしれない。


B 「ベンチャー経営の18種目:米糠に魅せられて」

9月サロン 株式会社ライステック社長 飯沼一元氏    

米の1割を占める米糠の有効利用 機能性米糠の開発を行う。
第1段階としてサプリメントに進出する。

この3年間の創業経験等を講演。18品目は下記

  @広報・宣伝  A販売(B2C) B販売(B2B) Cマーケティング

  D購買・輸入  E生産  F開発 G研究  HITシステム  I知的財産

  J企画  K総務  L人事  M経理  N財務  O法律  P役員会

  Q株主総会

参考 ライステック社はIAIジャパン支援先企業  http://www.ricetech.jp  


C 事務局よりのご案内 

   月例会員サロン開催のこと
     日時:11月21日(月) 18時より約2時間
     場所:大門事務所(地図はIAIJホームペジにあります)
     講師:渡邊龍男氏  株式会社オールアバウト常任監査役  他 役職多数
     演題:インターネットの過去・未来10年と 新興市場の企業の役割
     会費:500円 懇談時 飲み物等

     尚、渡邊氏のホームページ  ・・・・・ 仕事をして想うこと ・・・・・
     http://www.watanabe.net./

以上。

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