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*IAIジャパン・メールマガジン(公開版)
 
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IAIジャパン・メールマガジン第57号

2005年8月2日

 ∽∽∽ 目次 ∽∽∽
@巻頭言 「公務員の天下り」     IAIジャパン理事長  八幡惠介
A 「インドネシア・イスラムの世界での楽しくもホロ苦い思い出」
                        IAIジャパン理事  中島宏機
B 事務局よりのご案内          会員サロン開催のこと


@ 巻頭言 「公務員の天下り」

IAIジャパン理事長 八幡惠介    

 鋼鉄橋梁工事の談合究明の最中、経団連会長が企業における官僚の天下りを停止することを申し合わせようと提案したところ、行政での「高度な知識」を生かしてもらう、業務上必要な人材は天下りではない、などの理由で停止、自粛を表明した企業はごく少ないとの調査結果である。天下りが「行政官僚の有力な受け皿」とはいかなることか。行政の高度な知識、とは談合の根本ではないのか。業務上必要な人材を業界他社に求めず、公務員に求めるのはそもそも天下りのメリットがあるからではないのか。公共工事発注などで天下り先を優先的に選ぶなどの慣行があるとすれば、それも談合の一つではないのか。紳士協定の名の下に業界他社からのリクルートよりも、一見中立の公務員に人材を求める習慣が官製談合の温床となってはいないだろうか。終身雇用慣行が崩れ、業界の人材流動性は一気に高まっているが、公務員、特に高級行政官僚の獲得は別の理由で止められないようである。行政側にも天下りをなくすと公務員の定年後の受け皿がなくなる、との理由があるのはあきれたものである。公務員であっただけで職が見つかる、というのは職権乱用に当たらないだろうか。以上は問題提起である。

 さて、IAIジャパンはコーポレートガバナンス(CG)を中心に据えて活動を行なっており、その常識に照らせばこれらは全てガバナンス欠如に見えないだろうか。それが世の中の常識にならないところが多くの会員にとって歯がゆいところではないかと考える。行政官僚を人材と考えることは当然であるが、なぜ天下りといわれる高級官僚になるまでリクルートしないのか、仕事に油が乗るのは30才−40才代であり、企業としてはこの年代が最も欲しい人材のはずであり、50才を過ぎた高級官僚は企業の第一線で活躍するには歳を取りすぎており、当然期待する役割は行政への影響力であろう。この企業体質が続く限り談合は後を絶たないのではなかろうか。翻ってベンチャービジネスを考えるとき、エンジェルとして絶対にしてはならないことは公務員をリクルートしては、との助言である。規制緩和が進んで行政の企業へのかかわりの度合いは減じつつあるのが現状である。規制に守られてビジネスをする時代は過去になった。今後は残った規制を破壊しながら新しい秩序の中でのビジネスが主流となろう。ベンチャーと公務員は絶対になじまない、と言っても過言ではない。

 あらためてCGがIAIジャパンの活動の全てに共通していることを確認し、資金調達、顧客開拓、競合との差別化、人材獲得、資本政策、等々ベンチャービジネスに要求される活動のそれぞれが、創業者とそれを支える経営チームのCGに裏打ちされたものでなければ事業の成功は覚束ない。それどころかIAIジャパンのエンジェルとしてはそれなしに事業を行なうこと自体適切でないとの主張に立っている。この主張が常識となり、投資家、支援者、起業家その他のステークホルダーズのバックボーンとなってはじめて日本の資本市場がグローバルスタンダードに適合するのではないか。小さな力の積み重ねであるが、我々IAIジャパンのエンジェルはあきらめることなく、起業家の創業時から遵守されるべき倫理、経営チームと従業員全てに共有されるガバナンス、投資家その他のステークホルダーズへの情報開示、コンプライアンスおよびアカウンタビリティを追求して、これが成功への最短距離である、との認識を培っていくことを改めて認識し、自分自身に誓って欲しい。

 我々の常識を共有する社会を到来させるにはそれに気付いた人が自ら行動し、行動を通じて気付きの輪を広げ、社会全体の実行につなげていくほかない。自らの実行(ハンズオン)なしに他人に実行を期待することは出来ないからである。また、このようなメッセージをIAIジャパンのウェブサイトから発信すると共に、支援先でこれを主張し、支援相手に理解してもらって実行に移すことがその広がりを助け、早めることに他ならない。これは決して難しいことではなく、自分の背中を見る人に、この人について行けば目的地に着ける、との信頼を打ち立てるには何を、どうすればよいかを考えればよいことである。


A 「インドネシア・イスラムの世界での楽しくもホロ苦い思い出」

IAIジャパン理事  中島宏機    

 私が一番最初に海外駐在した国がインドネシア。 この国はイスラム教国で、イスラム教の精神は富める者が貧しいものに手を差し伸べるところにあるのです。

その怪しい実例の数々を列記しますと、
 まず工場建設に当って、結構頻繁に建設用の道具がなくなるのです。どうしてだろうということで、次の日に、近くに泥棒市なるものがあり、そこに行くと必ずその道具が売られているのです。それをまた買い戻し、何度か同じことを繰り返しながらやっていくことが必要でした。 又あるとき、ゼネコンが、この工場の建設用具を盗んでいる泥棒を捕まえて警察に突き出したところ、翌日、お巡りさんがきて、泥棒に飯を食わせる金がないので金をくれというような話が何度かありました。

 次にジャカルタでの輸入通関業務での話ですが、我々の事業はすべて外資導入法に基づくものだったので、日本から持ってくる輸入品については、全部値段も決め、マスターリストというものをきちんと出して、それに合ったものを日本から持ってくるわけです。ところが、これは外資導入法で免税恩典が受けられるものですから、このドキュメントを1件ごとに、インドネシアの大蔵省の関係部署が4ヵ所あったのですが、ここの許可を受けないと免税恩典が受けられないという状況でした。最初は書類の流れも結構よかったのですが、あるときからなかなか書類が進まないので、現地スタッフに「どうしたんだ」という話をしたら、その現地スタッフが、お金を大蔵省の担当者につかませないと書類が流れていかないと言うのです。それで、私も現実に大蔵省に行ったわけです。日本でお金を大蔵官僚などに払ったりしたらえらいことになるということで相当思案をしていたわけですが、大蔵省に行ったところ、たとえば女性の場合は化粧品を買う金がないから少しもらえないかとか、子どもにチョコレートを買ってやりたいのでなんとかならないかとか、又男性はサッカーの入場券が欲しいのでとか、いろいろ言うわけです。これに応えないとなかなか書類が進まない。荷物はどんどん入ってくる。工場の方は建設要員が待っている。こういう状況下にあって、上司と相談して金を少しずつ持っていったわけです。それで結構スムーズにいくようになりました。 ところが、これがだんだんエスカレートしていくわけです。次は、上層部の方からもそんな話が出てくるわけです。したがって、最後の頃の私の仕事は、毎日、夕方、アタッシュケースのカバンにお金を4万ルピアとか5万ルピア詰めて、課長以上の役人の家にしばしば足を運ぶことでした。

 次に、今度は原料の輪入許可を欲しいということで、通産省に行きますと、50万ルピア出せ、そして、ある銀行に振り込んでほしいという話がありまして、いろいろ交渉したのですが、最終的にこれを振り込みました。では、このお金を個人が全部ネコババしているかというと、どうもそうでもないのです。イスラム教の精神にのっとって、みんなで分け合っているという感じがあるのです。富める日本人が貧しいインドネシア人に金銭を分け与えるのはアラーの神のおぼし召しというように思っていたところがあるのではないかと思うのですが、われわれ日本人にとりましては、どこまでが宗教で、どこまでが贈収賄なのか、なかなか判別のつかないところで、今もって判然としません。

 それで、こちらも取られっ放しですけれども、あるとき、ナイロンのボビンがありますが、糸こぼれしないようにアルミの棒の両瑞にプラスチックがついているのです。これを、乙仲と結託して、ハンマーで割ってアルミの棒だけにしたのです。そうすると、両端にプラスチックが付いていると二次製品ですから関税が30数%かかる。ところが、これを取り除くと、アルミの棒だけですから一次製品で10%もかからないのです。そこで、 それを2本箱の上に乗せて、大変な量だったのですが、税関と交渉して「幾ら幾ら払うから、この通りだから中は一切あけないでくれ」と申し入れたところ、「オーケーだ」ということで、今まで払った分をほとんど取り返し、おつりがきたのではないでしょうか。
 このようなことをずいぶんやりまして、通関には相当苦労しましたが、イスラムの世界を実地に勉強することも出来、楽しくもホロ苦い想い出でもありました。


B 事務局よりのご案内 

   会員サロン開催
     日時:8月24日(水)18時
     場所:大門事務所(地図はIAIJホームペジにあります)
     講師:ワイズ福祉情報研究所代表 金沢工業大学非常勤講師   高田敬輔氏
     演題:センサー開発と産業創生・・・知のエンジェルをめざして
     会費:500円(飲み物等)

 台風で延期した7月のサロンは9月に行います。
     ライステック社社長 飯沼一元氏
     「ベンチャー経営の18種目:米糠に魅せられて」

以上。

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