ステークホルダーズの信頼に応えるために「D監査役制度の改正、E経営システムの見直し」を決めた。

私たちは、今回の改正商法の趣旨および、日本コーポレートガバナンス・フォーラムの報告による「コーポレートガバナンス原則」、アメリカのカルパースによる「世界共通のガバナンス原則」等を参考に、 企業統治の目的を「株主やすべてのステークホルダーズに対し企業としてより高い貢献をしていくために継続的に企業価値を高め、高い経営成果を達成する」こととし、創業期企業における企業統治の実現は「@投資家やエンジェルに投資してもらうための最低条件 A起業家にとって失敗をしないため、自ら生き延びるための基盤」であると位置づけた。

5.企業統治のための体制と内部統制

平成13年、14年の商法改正は企業統治の充実のために「監査役機能の強化と経営システムの見直し(取締役会改革)」を定めた。取締役会改革における経営の意思決定機能・監督機能と業務執行機能の分離、社外取締役の選任はアメリカの経営システムとして企業統治のための有効な手段といわれている。

創業期企業においても企業統治を充実するために、社外監査役の選任による監査役制度の強化と合わせ、この仕組を活用することの検討も必要と考える。 しかし、経団連のコーポレートガバナンス委員会が「企業統治の勘所は、経営者の経営理念や倫理観がなくして制度のみを変えてみても不祥事はなくならない」とは述べていることには留意しなくてはならない。

2002年4月に神戸地方裁判所は、神戸製鋼所の利益供与に関する株主代表訴訟について経営陣の監視義務違反の有無を判断する指針として、「実行ある内部統制システムを構築していたか」の視点から、内部統制システムの不備について所見を述べた。

図1にも示したように企業統治に当たっては、内部統制システムの構築は欠かせないということである。当然のことではあるが、創業期企業といえどもリスクを評価し、そのリスクを回避し、影響を軽減するための内部統制システムの構築は免れない。

ナスダック・ジャパンの株式上場基準には次の要求事項がある。

@ 企業経営の健全性として、経営管理組織の適切な整備・運用がなされていること。具体例としては監査役が役員の配偶者または二親等以外であること
A 企業内容の開示の適切性として、リスク情報など企業内用の開示が適切に出来る体制が整備され、運用されていること
B 決算短針には以下を含むコーポレートガバナンスの状況を開示すること
(ア) 意思決定の仕組
(イ) 役員構成
(ウ) 内部監査機能の状況および業務を行う上で設置している委員会等
(エ) 今後のコーポレートガバナンス強化、充実のために検討している事項
これらの要求には起業家の経営理念・倫理観の確立と経営システム・内部統制システムの構築により応えることが出来る。










6.起業家に求める行動規範

私たちは、再三に亘り創業期企業の健全な成長と事業の成功には、優れた技術やビジネスモデルと同じレベルで企業統治が必要であり、企業統治には経営システムや内部統制制度とともに経営者の持つ経営理念や倫理観が極めて重要であることを確認した。

そこで、私たちは起業家を支援するに当たり「IAIJのエンジェルとしての行動規範(倫理)」を定めるとともに、「起業家に求める行動規範」を次のように定めた。(http://www.iai-j.com)

本来は起業家が自ら定めることであるが、エンジェルとして支援をする以上、起業家に倫理観を持って企業経営に当たることを約束いただきたかったからである。

@ 常に創業の精神を忘れず、健全なる事業創造に向け全力を注ぎ、成功に向けチャレンジし続けることをコミットします
A チャンスとリスクに対し、鋭敏な感性を磨くとともに迅速に行動します
クリックすると拡大図が出ます

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