IAI Japan 2000/10月セミナー パネルディスカッション:
「ベンチャー企業のコーポレートガバナンス」
上田 武氏:株式会社 日本エンジェル・キャピタル 代表取締役社長
- IR(Invester Relations)業界は300億円の市場だが、3年後には1000億円の規模となろう。日本の会社はやっとコーポレートガバナンスが浸透しかかった段階で、IRは未だしである。現在のところ、200社位が完璧なAnnual Reportを出しており、600社位がAnnual Reportといって出しており、他はまだまだと言った段階である。
- 35社投資し、2社潰れ(トラベル関係、英語学校)、2社IPO直前である。日本ではエンジェルは額面で投資するものと学んだ。額面以上で投資する必要ある時はVCに紹介している。
北地 達明氏:監査法人トーマツ 公認会計士
- 大正時代には株主権が強かった。これからやろうとしていることが60年前にできていた。これを国家が間接金融主体の形にしてしまったのは統御しやすいからである。
- コーポレートガバナンスがキーワードになるのは困る。むしろ底流となって定着して欲しい。
- マザーズに上場しようとする企業の社長がコーポレートガバナンスを知らなかったので、上場を1週間延期された。
- 絶対守らなければならないものは守る。脱税について日本の会社は感覚が鈍い。
- Noblesse Obligeを教えることがない。訴訟が増えてくれば結果が出てくるのでないかと思っている。
- 会計士の視点から見ると、なんでもかんでも3月決算でよいのでしょうか。
瀬戸 公介氏:エンゼル証券株式会社 常任監査役
- 株式公開ブームは第1次は1973年JAFCOが設立された頃、第2次85〜90年、第3次が現在である。
コーポレートガバナンスが本当に必要だったのは、第1次と第2次だった。当時は公開に必要なデイスクローズができなかった。
- 現在はコーポレートガバナンスを理解している人が多い。若い人たちは経営権について、あまり拘泥しない。
- 4年間で4件Exitできた。IPOが1件、M&Aが3件である。
リチャード・ダイク氏:TCSジャパン 代表取締役社長
- コーポレートガバナンスは株主がどういう性格かに依る。米国の70年代は個人株主が80%であったが、現在は50%になり、投資信託・年金基金が40%に台頭してきた。米国企業は後者への説明を大事にしている。
- 日本は個人株主が23.5%、系列関係の企業が60%を保有している。相手を知悉している企業同士なので、コーポレートガバナンスが余り必要でなかったと言える。
- 80年代の米国はVCが過剰になって容易に投資を得ることができ、経営に厳しさがなくなって84年の倒産ラッシュを招いた。VCが過剰になるとひ弱な会社が増える。この現象が今起こっている。
八幡 恵介氏:当会会長、ザ・フューチャーインターナショナル代表取締役
- スタートアップ企業では、商法は弾力的運用が必要である。
- エンジェルは初期から関わって欲しい。それであれば株を額面で取得できる。
- ベンチャーの成功率を考慮すると、10〜20社位支援したい。
Q&A1:額面になる理由(桐生)
| ⇒上田: | 今の日本ではこの人は額面、貴方は額面の3倍では投資家が納得しない。VCはその辺は割り切って投資してくれる。 |
Q&A2:大手企業が後から出て来た時、ベンチャーはどうすればよいのか(松尾)
| ⇒R・ダイク: | 小さい企業だからできる強みが絶対何かある。それを活用して対抗する。 |
Q&A3:社外重役が貰っているコンペンセーションは大學卒初任給程度のレベルである。米国の場合はストックオプションがあるから良いが、日本はその仕組みができるまで時間がかかるのでないか(岩崎)
| ⇒八幡: | 答に窮する。4年弱エンジェル活動をやって、10社と付き合った。日本は2社で、残りはストックオプションがある米国系である。日本のベンチャーは英語を日本語に焼き直したものが多い。Exitまでやれる夢が極めて少ない。また、日本のスタートアップ企業は非常に手がかかる。利用できるサービスプロバイダーが社会インフラとして育つていないからである。今はエンジェルが少ないので、一部の人に負担が掛かっている。何れもこれからの我々の活動の課題である。 |
以 上 作成:桐 生
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